なぜ節分(2月2日)にそばを食べるのか?
一般的には「年越しそば」の方が聞き馴染みのある方が多いと思います。
今回は、節分そばとは何か?節分そばを食べる理由について紹介していきたいと思います。
節分とは?
昔は春の始まりになる立春が、一年の始まり(旧暦の正月)とされていたので、立春の前日を節分の日として行われる年中行事です。
「一年間健康に過ごせるように」という願いを込めて「悪いもの」を追い出す行事とされています。
実は節分の発祥は中国。平安時代ごろに中国から伝わってきた文化が、日本古来の考え方と合わさって生まれたと考えられています。
もともと節分とは、年に4回訪れる立春・立夏・立秋・立冬の前日を指す言葉。しかしいつしか、一年の始まりであり、大切にされていた「立春」の前日のみを「節分」と呼ぶようになりました。悪いものを追い出し、縁起のよいものを食べて、新しい季節を迎えるための行事です。
2025年の節分は2月2日(日)です。
節分に食べる行事食
節分の行事食は恵方巻きが有名ですが、地方によってさまざまなものがあります。
代表的なものをご紹介いたします。
恵方巻き
恵方巻きの発祥は諸説ありますが、大阪や和歌山、滋賀をはじめとした関西地方の一部で商売繁盛の祈願として始まったと言われています。
「恵方を向いて無言で食べ切れば願いがかなう」と言われており、太巻きを切り分けずに1本丸ごといただくのが習わしです。具材は七福神にあやかって7種を使い、福を巻き込むという意味を込めて作られます。
ちなみに2025年の恵方は「西南西」になります。
こんにゃく
昔の人々は、こんにゃくを「胃のほうき」「砂おろし」と呼び、身体の中をきれいにする食べ物として節分の日に食べていたそうです。
けんちん汁
関東の一部の地方では、けんちん汁をいただきます。
だいこんやにんじん、ごぼう、豆腐などを煮込んだ汁物で、諸説ありますがお寺の精進料理が由来と言われています。
節分そばとは?
節分の日に清めの食べ物として食べるざるそばの事を節分そばと言います。
節分そばは、豆や恵方巻きのように縁起がいい食べ物として江戸時代から受け継がれています。
もともとは全国的にあった風習でしたが、今は蕎麦どころとして有名な長野県や島根県を中心に途絶えず愛されている風習です。
島根県・長野県・岩手県のそばが日本三大そばと言われています。
節分そばの由来
江戸時代には大晦日ではなく、節分を本当の年越しという考えがあり、節分に食べていたそばを「年越しそば」と呼んでいました。
しかし、現在は暦月が使われるようになったので12月31日の大晦日が一年の節目です。
そのため、年末の大晦日に食べるそばを「年越しそば」、節分に食べるそばを「節分そば」と名称を分けて呼ぶようになりました。
節分や大晦日にそばを食べる理由
昔の人は月末にそばを食べる習慣があったからです。
月末は仕事で忙しく食事の支度に時間が取れなかったので、手軽に準備できるそばが定着しました。
現在は毎月そばを食べる習慣は廃れてしまいましたが、大晦日は今でも家族揃ってそばを食べる習慣が続いていますよね。
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昔の人がそばを好んでいた理由
節分そばには、下記のような人の”願い”が込められています。
・蕎麦のように人生を細く長く生きたい。
・悪天候に強いそばのように、たくましく強く生きたい。
・箸で切れやすく、簡単に噛み切れることから、そばにあやかって厄を切り捨てたい。
昔の人にとってそばは身近で縁起物として、特別な食べ物だということが伝わります。
「本朝食鑑」という江戸時代の医者人見必大が残した食物辞典には、そばは胃の働きを活発にして、便通を良くすると記されています。実際にそばは、白米に比べるとカロリーが低く、タンパク質と植物繊維が豊富です。
栄養が豊富で、安定して収穫できるそばは昔から日本人と切っても切れない存在ですね。
まとめ
節分そばには人の”願い”がたくさん込められていることがわかりました。
節分といえば豆や恵方巻のイメージが強いかもしれませんが、そばなら手軽に用意することができます。
このブログを読んだ方はぜひ節分の日に、豆をまいた後家族みんなの幸せを願って節分そばを食べてみてください。