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にっこくコラム

信州そばとは?長野県各地の信州そば12選をご紹介

今回は長野県が誇る郷土料理信州そばについてご紹介します。

信州そばは長野県で作られるそばの総称です。
信州(長野県)では古くからそばの名産地とされてきました。
山国である長野県は田畑が少なく、山間の傾斜地を切り開いてそばを栽培してきました。
「霧下そば」に代表されるようにそばは高冷地での栽培に適しているため、各地で良質なそばがとれ、それぞれの地域で風土を代表をする食べ物となっています。
信州そばと一口に言っても、長野県は北から南まで長いため、つなぎを使わない十割そばがあり、つなぎを使用するものも、一般的な小麦粉だけでなく、オヤマボクチ、自然薯など珍しいものがあります。また、つゆにも通常のそば汁の他に味噌、大根汁、くるみだれなど地域に根差した味があり、薬味もわさび、七味唐辛子、辛味だいこん(ねずみだいこん)など地域色が出ています。
さらに鍋に入れるとうじそばや、具材が独特なすんきそば…と、信州そばの中には様々な特長があります。
長野県内には数多くの「おらが村のそば」があり、地域や季節ごとに特色あるお蕎麦を提供しています。
長野県に来たら、ぜひ各地の蕎麦の食べ歩きをしてみてください!

長野県の信州そば12選

●戸隠そば

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戸隠高原は霧下気候のため良質なそばが取れます。中社や宝光社の門前町にはそばを提供する院坊や店が多く見られます。
また中社周辺では根曲がり竹で作った「そばざる」が特産品になっています。さらに、そば粉をそば湯で練り、3センチ程の大きさに丸めて竹の串に刺し、小豆餡(あん)、または、荏胡麻(えごま)や鬼グルミを摺(す)って塩と砂糖で和えたものを衣にした「そば団子」や、そば粉をゆるく溶いて、フライパンで焼いた「そば煎餅(薄焼)」なども名物です。

●富倉そば

飯山市富倉は新潟県境の豪雪地帯で、雪が多く降るため麦の栽培が困難で、代わりにそばの栽培が行われています。
そばは寒冷地に適した作物であり、雪が多く降る地域でも栽培が可能です。
しかし、ここで問題となるのがそば粉のつなぎに必要なグルテンの量です。グルテンは小麦粉に含まれるタンパク質で、そば粉にはほとんど含まれていません。そこでそば切りのつなぎとして、モリアザミ科の植物オヤマボクチを使用しています。
葉をよくもんでその繊維をつなぎとしてそば切りをつくります。


●須賀川そば

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志賀高原の北部に位置し、北志賀とも言われる須賀川地域では、そばと竹細工が特産物です。大根を千切りにして硬めにゆで、水に溶かしたそば粉を注ぐとあたかも大根がそば切りに見え、そば粉からそば切りを打つより早く作れることから「はやそば」という名前がついています。
はやそばの作り方は長野県指定の無形民俗文化財となっており、大根のシャキシャキとした食感とそばの風味がマッチし、とても美味しいと評判です。


●小諸そば

小諸市のそば畑は標高1,000メートル付近にあり、春の到来が遅く、早霜の恐れもあり、霧が発生しやすいこと等、そばの栽培に適した地域にあります。
また小諸市は、かつて城下町であり、宿場町でもあったため、老舗のそば屋が多く存在しています。
島崎藤村は、「小諸ではそばは元より名物だ。酒盛りの後のそば振る舞いといえば、本式の馳走になっている」と書いており、小諸のそば文化は、地元の歴史や文化とともに発展してきたものであり、地元の人々にとっては愛着のある食文化となっています。


●長和そば

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長野県小県郡長和町は、ソバの産地として有名ですが、特に近年力を入れて栽培しているのが「ダッタンソバ」です。
ダッタンソバは別名「苦ソバ」とも呼ばれているほど通常強い苦味がありますが、信州長和町でとれるダッタンソバにはこの苦味がほとんどなく、普通のソバのように美味しく食べることが出来るのが特長です。
長和町では、年々増大する遊休農地等の有効利用と地域の活性化のため、ダッタンソバを使用した新商品の開発に取り組んでいます。
また、地元産のダッタンソバから打った蕎麦を「長和そば」と呼んで、地元の食堂などでも提供されています。

●安曇野のそば

北アルプス山麓に広がる安曇野市は、全国でも有数の「米どころ」です。
昭和45年に実施された米の生産地調整政策のあと、転作作物としてそばが取り上げられ広く栽培されるようになりました。その結果、そばは安曇野の特産品となりました。
また安曇野では、北アルプスの雪解け水が湧き出た清流があり「名水百選」にも選ばれています。この名水で打った信州そばは絶品で、この味と風光明媚な北アルプスの景観を求めて全国から多くの観光客が訪れます。
また「わさび」も安曇野の特産品です。そばの味と香りを引き立てる名脇役ですが、水が豊富で清らかな安曇野に適した作物として栽培されています。

●唐沢そば


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東筑摩郡山形村、唐沢は松本盆地の南西部に位置しています。
唐沢川に沿って10軒ほどのそば屋が並んでいます。江戸時代は水車による製粉が盛んで、各家庭で食べられていたそばでしたが、明治に入り来客にそばを振る舞いもてなすようになりました。
山形村のそば屋には「やまっちそば」と言う名物そばがあります。山形村のもう1つの名産である長芋を使ったメニューで、そばの上にすりつぶした”とろろ”ではなく、麺状に細長く切った長芋をのせて、そばとつゆと絡めて食べます。そばのつるっとしたのど越しと、長芋のシャキッとした食感が人気です。

●乗鞍番所そば

松本市の乗鞍地域のご当地そばで、乗鞍番所地域でとれたそばを使用しています。この地域のそばは、そばの生育標高限界で育てられており、標高はおよそ1,500mとなります。これは日本における耕作の標高限界でもあります。
標高が高く、朝夕の寒暖の差も加わることで、1粒ごとに甘味、風味が感じられ、さらに粘り強い弾力のある食感が味わえます。
また、昔から乗鞍高原ではそば栽培が盛んに行われており、そば切りはもちろん、そば粉で作るおやきや、そばがき等を主食としてきました。

●奈川そば

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信州野麦峠周辺の奈川に伝わるおもてなし料理です。
かつてはお米がとれない寒村で、そばがお米の代用食でした。ハレの日の食べ物に「とうじそば」があります。
そばをつゆに浸けることを「湯じ」といい、これが「とうじそば」の語源と言われていますが、ひたし・あたためるという意味もあります。
投じかごへ小分けにされたそばを入れ、たくさんの具が入った熱々の大鍋でこれを温め、熱々の具とそばを一緒にいただきます。
投汁そばは身体が温まるので、寒い冬に食べるのに最高です。

●高遠そば

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「高遠そば」は地方のそばには珍しく更科そばに近い白めの麺が特長です。さらに「からつゆ」と呼ばれる大根おろしの絞り汁に焼き味噌を加えた辛いそば汁が特長です。 そば汁は醤油にだしを加えたものが一般的ですが、醤油が普及する江戸時代中期より前にはそばは大根の絞り汁で食べるものと言われています。つまり、高遠そばに見られる「からつゆ」は、地域に根ざした昔からのそば用の汁ということになります。
「からつゆ」に使う大根は「辛味大根」と呼ばれる辛味の強い大根がよく、大根の辛さがそばの甘味を引き立てます。
ただし辛味大根の絞り汁はとても辛いため、 辛味を好みの味付けに中和するために焼き味噌が使われています。
福島県の会津地方でも、辛味大根の絞り汁を蕎麦つゆとして使う食べ方を「高遠そば」と呼んでおり、これは高遠藩主であった保科氏が国替えにより会津藩主として赴いた折に、高遠の食文化が会津に伝わったものと言われています。高遠ではその後、長らく途絶えていましたが、近年、昔から同じ食べ方をしている高遠町にその呼び名が里帰りしました。

●箕輪町の赤そば

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ヒマラヤ地方では赤い花の咲くそばが作られています。この赤そばが信州大学の氏原暉男教授によって品種改良され「高嶺ルビー」と命名されました。高嶺ルビーはピンク色から赤色の花を咲かせる珍しいそばの品種で、花の色が宝石のルビーに似ていることからその名がつけられました。箕輪町をはじめ伊那盆地の各地で栽培されています。
開花時期は9月中旬から10月中旬が見ごろで箕輪町の中箕輪そば組合「赤そばの里」では、東京ドームほどの広さのある畑が、高嶺ルビーの花で一面赤いじゅうたんのように美しく染まり、毎年、多くの観光客やカメラマンが訪れます。

●開田そば


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御岳山麓の木曽町は古くからの高原蕎麦の産地で、このあたりの開田高原(標高1,100~1,300m)の蕎麦は開田蕎麦として名を広めています。
この地域の食べ方には、すんき蕎麦というものがあります。「すんき」とは木曽地方で作られている末川蕪(すえかわかぶ)の葉や茎を、野生果樹の果汁で発酵させた「漬けもの」の名称で、この「すんき」を温かい蕎麦にのせて食べる、木曽地方独自のご当地蕎麦です。
その他にも「きしめん」と呼ばれるそば切りがあります。
小麦粉で作ったきしめんとは異なり、おつゆと野菜を煮ておき、太い蕎麦をそのまま入れて煮込むもので、寒い日は身体が温まりとても美味しく、この地域の家庭で冬に食べられていました。


奥深い信州そばの世界!


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「そば切り」発祥の地と言われている、信州・長野は各地で様々なそばが食べられます。

今回は有名どころから、ちょっと珍しいそばまで紹介させていただきましたが長野県民でも、見たこと聞いたことのないそばがたくさんあります。
信州観光の際には、ぜひご当地自慢の信州そばに舌鼓を打ってみてください。

なかなか旅行に行けないときは、なま蕎麦のお取り寄せという手段があります。
家にいながら、ちょっとした旅行気分になれるでしょう。



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お世話になった方への贈り物としても、おすすめです。

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